9/9 説教要旨

マタイによる福音書7章7~12節
「求めなさい。そうすれば、与えられる」というイエス様の言葉は、大変によく知られている言葉です。多くは人生を成功に導くマインドのように読まれます。またルカ福音書の文脈から、諦めずに祈ることを教えていると理解されます。しかしマタイ福音書では「人を裁くな」という教えと、「人にしてもらいたいと思うことは、あなたがたも人にしなさい。これこそ律法と預言者である」という言葉に挟まれた文脈、そして山上の説教全体の文脈に注目すべきです。山上の説教において語られてきたテーマは「神の国で生きる」ということでした。これは人生訓や祈りだけの教えでありません。「求める」とは何を求めるのか?丸太のように神さまの御心を見えなくしている罪を取り除いていただくことです。「探す」とは神の国に入る道、救いの道を探すということです。「門をたたく」とは、神の国の門をたたいて神の国に入れていただくということです。その時に、互いに「裁く」ことで身を守ってきた関係から、「してもらいたいことを、人にする」という仕え合う隣人関係という、神の国に生きることが始まるのです。この言葉を語ってくださっているのは救い主であるイエス様です。罪を取り除けるために、十字架にかかって罪を身代わりに担って死んでくださった救い主です。この方が十字架にかかってくださったことで、私たちの求めた罪の赦しが与えられ、探した神の国につながる道が作られ、見いだされました。この方の十字架の救いにあずかって神の国の門をたたくとき、門は開かれます。そこでは罪人を裁く「石」も、再び罪に誘う「蛇」もありません。天の父が迎えてくださるのです。

2018年09月22日