12/16 説教要旨

マタイによる福音書8章28~34節
 向こう岸でイエス様を待っていたのは悪霊でした。向こう岸は神の国を喩えています。神の国は神のご支配の中にあります。イエス様が来られたことで悪霊が滅び、神の支配が明らかになりました。ここも神の国となったのです。悪霊とは何かについて明確に説明することはできません。それらは神から私たちを引き離し、悪を行わせること、神の御力によらなければ悪霊から解放されないことが聖書に記されています。ここで悪霊たちは神の子であるイエス様から逃げられないと悟ったのでしょうか、自分たちからイエス様のところに来て見逃してくれるよう懇願します。彼らはやがて自分たちは神に滅ぼされることを承知していますが、その時はまだ来ていないはずだと言うのです。イエス様のことを神の子と正確に理解していますが、しかし悪霊の本性は神を侮ることです。神の救いを「まだ」と決めつけているのです。これは神を侮ることです。しかし、私たちも救いは「まだ」と侮ることがあります。もっと学んでから、もっと清い生活ができるようになってから、と自分たちで救いの時を決めようとします。それはこの悪霊の言い分に似ているのです。悪霊の滅びを定めるのは「時」ではなく「神」です。救いの日を与えてくださるのは神です。だから、神の子であるイエス様は悪霊の言い分に屈しません。神の子が二人の悪霊につかれた男たちを取り戻すために、「今」ここで悪霊を滅ぼすとお決めになられたのです。悪霊は豚に逃げ込んで助かろうとしますが、豚と共に死んでしまいました。人間の手には負えなかった悪霊も、私たちを愛する神の子、イエス様には全く手も足も出ないのです。

2018年12月21日