4/7の礼拝説教から

マタイによる福音書10章26~33節
平和の福音を伝えに人々のもとに行く弟子たちを励ます主イエスのお言葉です。「人々を恐れてはならない」と言われます。これから弟子たちが出会うのは初対面の人々です。さらに人々は狼に喩えられたように、弟子たちを傷つけ、命を奪う力を持ちます。しかし、それは「あなたがたの父」である神さまの許しがなければ実行することはできないのです。むしろ、魂までも滅ぼすことのできる本当に恐れるべき方である神さまが、あなた方を愛していることを忘れてはいけない、と言われるのです。人々を恐れてイエス様の託された使命を投げ出してはいけないのです。「わたしが暗闇であなたがたに言うことを、明るみで言いなさい。耳打ちされたことを、屋根の上で言い広めなさい」とイエス様は命じられました。人々を恐れることなく、神さまが知らせようとしておられる福音を伝えるのです。イエス様は後に、最も大切なこととして、神さまを愛することと隣人を愛することを教えられました(マタイ22:37~40)。人々を恐れずに、狼のように牙をむいていながら、実は神さまを見失って、「飼い主のいない羊のように弱り果てている」人々を憐み、愛するのです。魂を滅ぼすことのできる方を恐れるとは、神さまを真実に神さまとして重んじるということ、言い換えるならばやはり「愛する」ということです。愛する神さまの願いである救いの知らせを、愛する人々へと伝えることが弟子の使命です。恐れを取り除くのは愛なのです。

2019年04月15日