2020/2/9の礼拝説教から

マタイによる福音書15章29~39節
既に読んできたマタイ福音書の記事を思い出させるような箇所です。「山に登って座って」というのは、山上の説教でのイエス様のお姿を思い起こさせます。大勢の群衆が病人を連れて来て、彼らをイエス様がいやされたことも、これまで何度か読みました。救い主の到来を意味する光景として、11章5節でイエス様が示された光景です。そして四千人に食べ物を与えた奇跡は、5千人に食べ物を与えた奇跡とそっくりです。しかし、これまで読んできた記事を思い起こさせることにこの箇所の意味があります。同じことであることが大事なのです。なぜなら、このイエス様の恵みの御業にあずかったのは、異邦人だからです。マタイ福音書は、群衆が「イスラエルの神を賛美した」と記しています。これは異邦人がイスラエルの神を賛美したということです。この箇所の前でイエス様は「わたしは、イスラエルの家の失われた羊のところにしか遣わされていない」(24節)と言われました。しかし、カナン人の婦人の言葉によって、神の憐みは異邦人にまでも及ぶことが明らかになりました。神様の御心を知って、イエス様はユダヤ人の間でなさった神様の憐みの御業を異邦人の間でも、全て行ってくださったのです。イエス様は、ユダヤ人だけの救い主ではなく、異邦人にとっても、そして私たちにとっても救い主として来られたのです。

2020年03月16日